第 3 回 ババラ

第1回ウェブゲームクリエイターインタビュー 石井克雄

7. 創ること自体も楽しむ - 個人制作の理由

星野

ウチューフォース2」が最初仕事でつくったバナーだったっていう
お話しはありましたけど、基本的には仕事とゲーム制作は
関係しないわけですよね。

ババラ

そうですね。 スクリーンショットウチューフォース2

星野

そういう中で、自分のプライベートな時間を使って
コンテンツを創る理由ってなんですか?
生きるにあたっては、つくってなくてもいいわけですよね。

ババラ

ブログでつくるって書いちゃってるから
つくらないとっていうのもあるし
そうやってつくるっていっちゃったのに
他のものつくって公開しちゃったりして
そうすると「続編を待ってマース」みたいなコメントもらって
「待っててねー」みたいに書いちゃったりして。
だんだんつくらなきゃいけないものが増えてきちゃって(笑)

星野

つくるっていっちゃった手前とか、続編への期待とか、
うれしい外圧ですね(笑)なるほど。
でも、そもそも最初に創り始めた理由は
なんだったんですか?

ババラ

遊撃手」っていうパソコン雑誌が昔あって
「Wizardry」とか「Load Runner」みたいな Apple のゲームを扱ってた
硬派な雑誌だったんです。
その雑誌に掲載されていた(多分)南伸坊のインタビューかなにかで
「モニターにコンピュータで出力した絵が映っているのを
観るだけでうれしくなる」みたいなことを言ってたんです。
それを読んだときに凄く共感して
自分で書いた絵を何とかして操作できるものをつくりたいと思って
PC-6001のころからゲームつくってるというのがあるかもしれない。

星野

新卒の時にゲーム会社へアプローチして
実際に就職したりしていたということは
ゲーム制作を仕事にしようと思っていたときもあったんですよね。

ババラ

そうですね。
今は、ゲームを創るために生活をしなくちゃいけないから
仕事をして生きられるようにしてゲームを創っている。

星野

会社にばれないようにっていうのはないんですよね。

ババラ

以前の会社ではこっそりやってましたけど、
今はバナーゲームつくっちゃったり
同僚がテストプレイしてくれたりしてるんで
隠していないというか、バレバレですね(笑)

星野

今の制作規模には満足しているんですか?

ババラ

そうですね。
最初の就職活動のとき最終面接サボっちゃった会社に
入ってたら、多分今は3Dでおっぱいの揺れ方がどうとか
やってたんじゃないかと思うんですけど(笑)
自分自身は今の3Dの絵はそんなに好きではないんで
かといって昔懐かしいドット絵のゲームを
つくらせてくれるゲーム会社もなさそうっていうか
仕事でそういうゲームをつくるのはとても大変そうですよね。
そう考えると、今の環境っていうのは
よかったのかな、と思ったりもしてます。 写真

星野

そうですね。
仕事でつくるのは、色々自由にならないことも出てきますからね。

ババラ

これでアメリカみたいに自作のFLASHアプリで
食っていけるなら、それはいいなって思いますけど。

星野

サイトへのアクセスの波はどんな感じですか?

ババラ

やっぱり小中学生が多いんで
春休み夏休みにアクセスが特に増えますね。

星野

小中学生が多いですか。

ババラ

圧倒的に(笑)

星野

小中学生だっていうのはどうやって判断してるんですか?

ババラ

コメントで自ら小学生とか中学生だって書いてる人は
まあ、おっさんが詐称してる可能性もありますけど(笑)
おそらく小中学生でしょう。
後はリンク元が子供向けの掲示板だったりすることが
多いので、予測として子供が多いという判断です。

星野

子供向け掲示板って恐るべしですよね。
全然しらないサイトに巨大文化圏があって。

ババラ

巨大コミュニティがあって。

星野

ウェブだからコミュニティが大きければ
気付いてもよさそうなのに、
普通の大人のネットアクセスでは絶対に行き着かない。
検索エンジンからの流入はGoogleとYahoo!だと
どっちが多いですか?

ババラ

Yahoo!の方が多いんじゃないですかね。

星野

キーワードはどんなのが多いですか?って
さっきからSEOっぽい質問ですいません(笑)

ババラ

昔は「FLASH」とか「ゲーム」とかが多かったし
サイトつくる時もそういうキーワード意識してたんですけど
最近はそういうキーワードはほとんどなくて
「太くて長い」とか「ババラ」とか(笑)

星野

タイトルとかサイト名直接でくるんですね。

ババラ

なので危機感を感じていて(笑)
SEO対策でスタイルシート対応し始めたりとか
してるんですけど。

星野

(笑)
ブログで公開して、その後完成に至るゲームと
至らないゲームがありますよね。
例えば「太くて長いオレの○○2」は結構なスピードで
完成に至っていると思うんですけど
完成に至る/至らないの差はどういうところから出てくるんですか? スクリーンショット前作を踏襲しつつスケールアップした「太長2」

ババラ

割と新しいゲームは早く完成できるんですね。
今までつくったことがないゲームとかは。
で、つくり方がわかっちゃったゲームは遅くなっちゃう。
つくり方の手順がわかっちゃってると作業になっちゃうんで
なかなか作業が進まないっていうのはあります。

星野

「太長2」は「太長」があったけれども
新しいつくりだったんですか?

ババラ

そうですね。
ボスの攻撃で色々初めてやることをやってたんで
ノリノリでつくれて早めに仕上がりました。

星野

創ること自体も楽しくないといけない(笑)
作業感が出てくるとモチベーションが維持できなくなってくるんですね。

ババラ

そんな感じでやってるので
楽しみに待っていただいている皆様には
ご迷惑をおかけしております。

(聞き手:0stage 星野健一

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・BABARAGEO : blog
・BABARAGEO : ウチューフォース2
・BABARAGEO : 太くて長いオレの○○2
・Apple II World : paper ware 遊撃手
・Wikipedia : 南伸坊
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