第 3 回 ババラ

第1回ウェブゲームクリエイターインタビュー 石井克雄

6. 結構波乱万丈な感じ - お仕事とパソコン遍歴

星野

お仕事のことをお伺いしたいんですけど
ババラさんは仕事と自サイトの展開っていうのは
特に関係はないんですか?

ババラ

割とゲーム業界周辺で仕事していたこともありました。
新卒の就職活動のときにゲーム会社を受けて
最終面接までいったりしたんですけど
夏場で暑くって行くの嫌になってドタキャンしたり(笑)

星野

ウソ(笑)

ババラ

でもまあ、そこではないんですけど
別のゲーム会社の面接はちゃんと行って
就職はしました(笑)

星野

よかった。

ババラ

ただ、ゲーム開発じゃない別会社にまわされて
そこが調子悪くなってつぶれちゃったんですよ。
これでゲーム開発に戻れるかと思ったら
「帰ってきても席ないよ」って感じで放り出されちゃって。

星野

おー、厳しい話しですね。

ババラ

それでプラプラしてたら
友だちからゲーム雑誌の編集の紹介があって
そこで半年くらい雑誌つくってました。

星野

どんな雑誌ですか?

ババラ

「バーチャファイター2」で格ゲーブームだったころ
アーケード雑誌が雨後の竹の子みたいに発行されてたときの1誌です。
で「バーチャ2」の技表掲載し終わったら
載せるものなくなっちゃったんで
休刊になったみたいです。

そして、その後3社ぐらい変わって今に至る、と。 写真

星野

結構波乱万丈な感じがしますね。

ババラ

でも最初がマーケティングみたいな仕事だったんで
雑誌以外はずっとマーケティング担当みたいなかたちでやってます。

星野

マーケティング担当なんですか?
プログラマとか技術系ではないんですね。

ババラ

マーケティングと広報ですね。

星野

ちょっと意外でした。

ババラ

技術系じゃないんで
スクリプトとか本職の人が見ると
なんじゃこりゃって感じだと思いますよ。

星野

おー、でも本まで出てるじゃないですか。 スクリーンショットオレ流Flashゲーム作成術 実践ActionScriptゲームテクニック

ババラ

そう、だからあの本もきっと読む人が読んだら
怒るだろうなぁって思いながら
あくまでも私がやったやり方ですっていうことで。
FLASHのセオリーも無視してたりするんで。

星野

そうなんですか(笑)

ババラ

例えば stop() を知らなくて
ひとつ手前のフレームに戻してループさせて
フレームを進めないようにしたりとか。
でも、さっきの話しから考えると
知らなかったんじゃなくて、そうするしかなかったのかもしれない(笑)

星野

FLASHが好きだった人って
「動けばいいじゃん」的なスタンスのことが多いんですけど
それがすごく大切だって思っているんですね。
実装が変でも思い通りのアウトプットが得られれば
楽しむ側にとっては関係ないことですからね。
FLASHを使う前からゲームはつくっていたんですか?

ババラ

つくってましたよ。
私のパソコン遍歴が珍妙なんですけど(笑)
最初に買ったのがPC-6001だったんですよ。パピコン。
でもベーシックしか憶えなくてマシン語使えなかったんで
パピコンではたいしたものつくってなくて。
その次に買ったのが「AppleII」で。

星野

おおー。

ババラ

でもそれは「Wizardry」がやりたくて
買ったものなんですけど(笑)
そのおかげで日本で流行る遥か前から
「Wizardry」プレイしてました。
その後はMac使いになっちゃったんで
プログラム環境的には厳しいところになっちゃって。
それでMacでは「Hyper Card」でゲームつくってて
そのときに創ったのが「わんわんキャノン」だったんですよ。

星野

「わんわんキャノン」はFLASH lite 版の前に
Hyper Card 版がオリジナルであったんですね。
「太長」にも出てくるWAN-WANもずいぶん長い付き合いなんですね。 スクリーンショットスターシステム的に活躍するわんわん

ババラ

そうですね。
で Hyper Card の後に Real Basic っていう開発環境を
使ってみたんですけど、これが全然使いこなせなくて(笑)
それでなんか簡単にゲームつくれるツールはないかと思って
探していたら「Klik&Play」っていう富士通が出してた
簡単ゲーム作成ツールを見つけたんです。
それで創った「わんわんキャノン」が
今でもVectorで公開してますよ。

星野

それみました。Mac版だったんでプレイできなかったんですけど
なぜMac版!と思いました(笑)
そういう経緯だったんですね。 スクリーンショットわんわんキャノン (FLASH lite 版)

ババラ

公開してちょっとの間は人気があって
ランキングで2位とかになったりもしてました。
でも「Klik&Play」も大きなアプリケーションになると
だんだん動作が怪しくなってきちゃって
ちょっと使うの厳しいなぁと思ってたところで
ようやくFLASHにめぐり合って。

星野

FLASHに出会ったのはいつごろですか?

ババラ

FLASH5からはじめたんで、2000年ごろ。
最初はゲームつくるつもりじゃなくて
ドラえもんのMADをみてオレもつくるーって思って
アキバ行って買ってきたんです。
でも、その時は足を動かしながら歩くアニメーションが
自分でうまくつくれなくて、
これじゃだめだーと思って。

星野

また波乱が(笑)

ババラ

今なら余裕でつくれるんですけど(笑)
それでアニメーションは諦めて参考書をみてたら
アタリ判定とキャラ移動が載ってて
これならゲームつくれんじゃないの?って思って。
でつくってみたらできちゃった。

星野

最初に創ったのが「ウチューフォース」だったんですか?

ババラ

最初に公開したのは「ウチューフォース」なんですけど、
その前に「ゼノレダ」の試作をしていました。

星野

Internet Archive の記録では一番最初に公開されてたのは
ウチューウォーズ」でしたね。 スクリーンショットウチューウォーズ

ババラ

ドメインは「ウチューウォーズ」の公開用に
取ったんですよ。

星野

「ウチューウォーズ」のトップ画像とかもババラさんなんですか?

ババラ

トップ画像は知り合いのマンガ家さんに描いてもらったんですよ。
ゲーム中の絵は自分で描いてます。
試作してみてゲームっぽいのができて
「ウチューウォーズ」がいけそうな感じだったんで
せっかくだからドメイン取ろうってなって今に至る。

(聞き手:0stage 星野健一

本文中のリンク
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・BABARAGEO : ウチューフォース
・BABARAGEO : ゼノレダ
・BABARAGEO : ウチューウォーズ
・技術評論社 : オレ流Flashゲーム作成術 実践ActionScriptゲームテクニック
・Vector : わんわんキャノン
・Wikipedia : Wizardry
・がらくたギャラリー : Klik&Playとは?

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