第 3 回 ババラ

第1回ウェブゲームクリエイターインタビュー 石井克雄

8. 要素を削って生まれるおもしろさ - つくる時のこだわり・今後の予定

星野

つくるときにこだわっていることはなんですか?

ババラ

ドット絵です。
ドット絵といっても正確ではなくて
回転パターンとかは大変なんでつくらずに
そのまま回しちゃったりするんですけど。

星野

テイストの話しですよね。 スクリーンショット3色の濃淡のみで表現されたアイテム群

ババラ

ドット絵を構成する色数のルールを一番最初に必ずきめます。
ゼノレイダー」が解りやすいんですけど
「ゼノレイダー」のアイテムは6色で表現してるんです。
白・黄・赤の濃淡だけ。

星野

印象より少ない。

ババラ

後は「ウチューフォース2」の敵単色とか。
太くて長いオレの○○2」はキャラごとに使っている色は違うけど
色数は黒プラス3色で固定してます。
1キャラだけ間違って黒プラス4色使っちゃってるんですけど(笑)

星野

それってどのキャラですか?

ババラ

それは内緒で(笑)
探してみてください。 スクリーンショット3色+黒で表現されたキャラクターたち

星野

色数を制約する理由ってなんですか?

ババラ

見た目の統一感を大事にしてるのと
性格付けを色でやっているというか。
特別なボスとかアイテムだけ色数を増やしたり違う色を使ったりして
スペシャルな印象を与えたりっていう効果を与えています。
「ゼノレイダー」の最後の剣だけ青を使ってたり。

星野

色数を制約することでテイストとして
昔のゲーム画面のような印象を与えますよね。
「ウチューフォース2」の話しでもありましたけど
敵を単色にすると単色スプライトの印象が得られるし、
画面全体の色数が結構多くても
キャラごとの色数が制約されていると
懐かしいドット絵のテイストがあるにもかかわらず
実際には豊かな絵がつくられていくとか。 スクリーンショット単色スプライトを思わせるウチューフォース2の敵

ババラ

色数を縛るのはゲームをつくるなら
やってみるといいと思いますね。

星野

インタラクティブなコンテンツでは
どこに何が表示されるかわからないところがあるから
要素ごとに色を絞れば状況も把握しやすくなりますよね。

ババラ

描くのも楽だし(笑)

星野

そこで落としちゃうんだ(笑)

ババラ

MSXとか昔のハードは本当にハードの制約で
色数とか制限されてたわけですけど
今はそういう制約はないですよね。
だから、自分で制約しないでつくっちゃうと
背景だかキャラだかよくわからない画面になっちゃう。

星野

テイストでいうと古っぽく見せるっていうことですよね。

ババラ

ドットも別に細かく描いたりパターンをたくさん描こうと思えば
描けるけれども、それには時間が掛かっちゃうし、
それでおもしろくなるのかっていうとそうじゃないよなって。

星野

おもしろさの本質はそこじゃないと。
個人の限られた時間でおもしろさを追求しようとしたときに
何を削ってどこに時間をかけるかってことですね。
なるほど。
ゲーム性に対するこだわりってありますか?

ババラ

ないです(笑)

星野

(笑)
難易度はどうですか?

ババラ

新しいゲーム性とかってあまり興味ないというか
おもしろければ似ててもいいじゃんと思ってますね。

星野

似ているというか、知っているゲーム性っていうのは
ウェブゲームでは重要ですよね。
遊び方がぱっとわからないとそもそも遊んでもらえない。

ババラ

ウェブでフリーで遊べるゲームでフレームレートとか
ハイスコアの正確性とかに心血注いでつくるのも
ばかばかしいんで、そういうのは無しで行きたいです。

得点争いとかも、といいつつ
昨日「オフィちゅラブ」のランクイン目指して
激しく遊びまくったんで
得点要素は割りとひきになるかなと
思ったりしてきてるんですけど(笑)

星野

遊びの要素として。

ババラ

そうですね。
ただ、自分がつくっているゲームは基本的に
遊んだだけ点数が増えるのばかりなんで
スコアを争ってもどれだけ暇かっていうのが
明らかになるだけなんですけど(笑)

星野

確かに「けすくん」の点数とか
「太長」の剣の強さとかって
どれだけ時間を費やしたかの指標ですよね(笑)
ネットゲーってどれだけ時間を使わせるかっていう
つくり方をしますよね。

ババラ

MMOPRGだと一回倒すと1時間とか3日とか経たないと
出てこない敵とかがいたりして、
そういうのをボーっと待つしかないっていうのは
なんか遊ばせてもらっている気がしない。
だから、そういう風にはならないようにしたいですね。 写真

星野

そういう易しげ感っていうのは新しいなと思いますね。

ババラ

新しいというか、パッケージのゲームでは
許されないんじゃないかと思うんですけど(笑)

星野

(笑)
あー、でもどうなんだろう。
遊んでいて楽しいのであればそれはコンシューマとかでも
ありなんじゃないですかね。

それじゃ最後に、これからのリリース予定とか
これからやりたいことを教えてください。

ババラ

今はどっちかというとFLASHゲーム作成よりも
xhtml+cssの方がチャレンジャブルになってて
興味がそっちにいっちゃってるんで
サイトのリニューアルが終わるまで
もうちょい待っててっていう感じです。
といってもほとんど出来てるんで
掲載されるときには終わってると思います。

星野

そしてゲームの方は(笑)

ババラ

どう考えても次は「ボシュボス2」です。

星野

ちょっと義務感が溢れている感じがするんですけど(笑)

ババラ

でも自分でもつくりたい要素はあります。
曲線も含めて構成された「グラディウス」っぽいボスが
所狭しと動き回る画面は見てみたいし、
ボスよりも自機の方でかっこいいシステムを
入れようかって考えているんで、
「言っちゃったから」を抜きにしてもつくりたい。

星野

おお。 スクリーンショット期待高まるボシュボス2

ババラ

ボシュボス」では自機のグレードアップが
何個かおきにアンロックされていくだけだったんですけど
今回は悪魔的なバランス感覚の方に。

星野

易しげな(笑)

ババラ

なんとなく遊んでるだけでも
自機の成長っぷりを楽しめるように
しようかな、と思います。

星野

その次とか、あんまり先過ぎる話しを
聞くのもあれなんですけど。

ババラ

マリオみたいな横スクロール画面でうさちゃんが大冒険!
みたいなゲームがあるんですけど
そのジャンプアクションをさっさとつくれという
意見があるのでそれをつくります。

星野

それもブログにはあるんですよね。

ババラ

あります。
ロックマンっぽいのとかマリオっぽいのは
創りたいと思ってるんで。
まだちゃんと創りきったことがないんで
創れるかどうかわかんないですけど。

星野

じゃあ、初トライっていことも含めて
チャレンジしてみたいってことですね。

ババラ

何年か前の2ちゃんねるの紅白フラッシュ合戦の
アスキーアートワールド」がすごいなぁと思って。
まだ最後までつくったことがないので見通しが立たないんですけど。

星野

そこも含めてやってみたいってことなんですね。

ババラ

その後は気分しだいですけど
わが社のマーケティング的には(笑)
「太長3」とかを創ることになるのではないかと。

星野

売れるコンテンツをつくれと上が(笑)

ババラ

太くて長いオレの○○○」はシステムも大きくなっちゃって
一人で創るのもしんどいんで
プロジェクトチームをつくって
やろうかなと思ったり。

星野

流れ次第とういことですけど
「太長」は続編を作りそうな感覚はあるんですね。

ババラ

太くて長いオレの○○2」を創ってたときに
めんどくさくてやらなかったこととか結構あるんで
そういうのをやりたいですね。

星野

チームでつくるっていうのも新しい要素ですよね。
チャレンジという意味でも。
言っちゃいましたね(笑)
楽しみにしています。

(聞き手:0stage 星野健一

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