第 3 回 ババラ

第1回ウェブゲームクリエイターインタビュー 石井克雄

1. ババラゲオではありません - BABARAGEO サイトのこと


たくさんのウェブゲームの中で埋もれることなく
キラリと光る作品を生み出しているクリエイターたち。
そんなウェブゲームクリエイターにインタビューを敢行。
アイデアの源泉や、一つの作品としてまとめていく過程、
モチベーションの拠り所や、今後の制作予定など、
あれこれいろいろ聞いていきます。

第3回は、ババラ氏こと
BABARAGEO の矢部一博(やべかずひろ)氏。
ウチューフォース2」や「太くて長いオレの○○2」と
そのシリーズ作品などで海外での人気も高いBABARAGEO。
易しげな魅力でやめられなくなるゲームを生み出すクリエイターの
こだわりやゲーム制作の魅力を語っていただきました。

どうぞ、お楽しみください。

ババラ

もう始まってるんですか?

星野

とりあえず録ってはいますけど、かるーい感じで。

ババラ

これ(レコーダー)何時間録れるんですか?

星野

後13時間くらい。

ババラ

13時間しゃべらなきゃいけない(笑)

星野

13時間はテープ起こしも大変なので(笑)
できれば2時間くらいに収めたいんですけど
いつも3時間くらいかかっちゃうんですよね、楽しくて。 写真

ババラ

ゼロステージさんは、まだ先行公開ですよね。
本格稼動するとどういう風になっちゃうんですか?

星野

今ようやくテストを始められたスコアAPIとか、
個人や同人でウェブゲームを公開している人たちが
コンテンツ制作に集中できるようにするためのAPIを
サービスとして提供していく予定です。
自サイト展開に対してサービスを提供するというのがポイントですね。
ババラさんにもAPIを使ってもらいたいと思ってて、
スコアAPIの登録最大値も「太くて長いオレの○○○」の
巨大な数値にも耐えられるようにつくってありますんで(笑)
と、宣伝時間いただいてありがとうございます(笑)

ババラ

「太長」の値はFLASHの限界ですよね。
太くて長いオレの○○2」は上限値を設定しているんで
保存データが飛ばないんですけど「太長」は設定してないんで
やり込むと飛びます。

星野

まだ飛ばしていない自分が情けない(笑)
バランス調整は公開してからやっているんですか? スクリーンショット星野のデータはまだ13兆弱

ババラ

そうですね、ブログで公開して、
コメントを見ながら調整とかデバッグをしてます。
「太長2」とかはブログにコメントでバグ報告してくれる人たちが
いなかったら、とても完成してません。

星野

サイトのトップで公開される前に
ブログでかなりテストプレイが行なわれているんですね。

ババラ

開発状況をブログで経過報告みたいな感じで公開して
それをプレイしてもらって修正・デバッグしてます。
これとか、本文2行しかないのに400とかコメントもらってて(笑)
このコメントで「遊んでみたらどうだった」とか
「この敵が強すぎるからちょっと弱くしてくれ」とか書いてもらって。
ただ、あまりヌルくしろっていう意見には
かえって強くしたりとかいう意地悪も(笑) スクリーンショット

星野

僕はトップページに掲載されてからプレイしたんで、
そうすると、そういった調整がほとんど済んだ状態で
プレイしていたんですね。
ブログでβ公開してつくり込んでいる。

ババラ

そうですね。
だからブログでβ公開して
未完成のままになっているのも結構あります。

星野

サイト名はなんと読むのが正解ですか?

ババラ

ババラジオ」です。なんで「ジオ」かっていうと
ただ単に最初ジオシティーズにおいていたからで(笑)
ジオシティーズが出来て無料のサーバスペースが使えるっていうんで、
じゃあ使ってみるかってなったときに
ジオシティーズのババラのサイトだから「BABARAGEO」だろうって。
だから「ゲオ」じゃないです(笑)

星野

僕も結構「ゲオ」読みしてましたね(笑)

ババラ

「ジオシティーズ」の「ジオ」。
「NEO-GEO」の「GEO」。

星野

「NEO-GEO」は関係ないですよね。

ババラ

関係ないです(笑)

星野

「BABARAGEO」のサイトがいつからあるんだろうと思って
Internet Archive で調べてみたら、
babarageo.com としては2004年からあるみたいですね。

ババラ

ドメインを取ったのがその年だと思います。
ジオシティーズの後に「リンククラブ」っていう
マックの雑誌によく広告が載ってたレンタルサーバを借りていて、
それは多分1999年くらいから。

星野

うわー、ジオシティーズのサービスってそんな前からあるんでしたっけ。

ババラ

ジオシティーズは1997年くらいですね。

星野

babarageo.com での公開当初のアーカイブを見たら
わんわんキャノン」が「Ynot Flash Lite AWARD 2003 for 505iシリーズ」で
ゲーム部門賞を取りましたっていう話しが載ってて。 スクリーンショットわんわんキャノン

ババラ

じゃあ割ともうFLASH使いまくるようになってから
ドメイン取ったんですね。
FLASH lite がドコモの携帯で使えるようになったのがそのころで、
FLASH lite で携帯はいけるんじゃないかっていうんで
創ったのが「わんわんキャノン」だったんです。
ですが、FLASH lite があまりにも酷い仕様だったんで
一個だけつくってやめちゃいました。

星野

衝撃の仕様でしたよね(笑)

ババラ

ゲームつくるにはとんでもなかったですね。
でも、FLASH lite で苦労したおかげでつくれたゲームとかも
結構あるんで、マイナスではなかったです。

星野

僕も携帯対応しようと思って触ってみたことがあったんですけど
結論としては、みんなよくFLASH lite でゲームつくってるな
という感じでしたね(笑)

ババラ

FLASH lite 2.0 になってからはまだましですけど、
1.1 までとかはクリエイター殺しですよね(笑)
デザヲ」とかはもともと携帯用に創ってたゲームなんで
FLASH lite で動くんですよ。 スクリーンショットデザヲ

星野

そういえばサイズも携帯向けでしたね。

ババラ

ボタンも1個しか使わないし。

(全段敵キャラのステージが出現)

うわ、なんだこんなのクリアできないジャン(笑)
これ、どうやって登録したんだろう。

星野

クリアできないと登録できないんですか?

ババラ

エディットしたステージの最後までプレイしてはじめて登録できるんで、
クリアできないステージは登録できない。

星野

なるほど。

ババラ

だからこれは不正な手口で登録したのではないかと(笑)

星野

またインタビューの最中にすごいものが見つかってしまいました(笑)

それから、ブログの古い記事でみかけた「白い悪魔くん」とか
個人的にヒットしたりしてます。
今までブログでの展開を僕自身がきちんと認識してなかったんですけど、
試作の段階で多くの意見をもらえるということは
ファンというか楽しみにしてくれているプレイヤーが
たくさんいるということですよね。 スクリーンショット白い悪魔くん

ババラ

そうですね。
サイト設立のころからずっと遊んでくれてる人たちもいるし
最近は小中学生で毎日覗いてくれている子たちがいて
たくさん遊んでくれてます。

星野

アクセス数ってどのくらいなんですか?

ババラ

全部はカウントしてないんですけど
トップに公開しているゲームのページだけだと
一ヶ月で30万件くらい。

星野

そうすると、トップページとブログとあわせると
100万とかいっちゃいそうですね。
ブログのコメントを通したユーザとのやり取りが
開発の中で重要になってくるんですね。
いろんな意見があると思うんですけど、
振り回されたりすることはないんですか?

ババラ

どうつくっていきたいかというのは自分のなかにあるんで
取り入れる意見と取り入れない意見はやっぱりあります。

って、これまだ本番じゃないですよね。

星野

いや、なんとなーく始まっているんですけど(笑)

ババラ

事前にメールでもらってた質問があったんで
答えを準備してあるんですけど(笑)

星野

あ、本当ですか。
それじゃサイトの成り立ちとか軽く聞けたんで
個別のゲームについて聞かせてください。
ではまずは「ウチューフォース」シリーズから。

(聞き手:0stage 星野健一

本文中のリンク
BABARAGEO
・BABARAGEO : blog
・BABARAGEO : 太くて長いオレの○○○
・BABARAGEO : 太くて長いオレの○○2
・BABARAGEO : デザヲ
・BABARAGEO : 白い悪魔くん
・BABARAGEO blog : 「太くて長いオレの○○2(12)」エントリ
・フラモバ : わんわんキャノン
・ケータイWatch : 【mobidec 2003】ワイノットの携帯向けFlashコンテスト受賞者発表
次へ

▲このページのトップに戻る