1. どうパッケージにするか - 「己の信ずる道を征け」開発まで
星野
今日は「Cursor*10」と「己の信ずる道を行け」の関係について色々お伺いしつつ、それぞれの魅力…
プラットフォームが違うわけですけど、
そういうプラットフォームの違いから生まれる
それぞれの特徴や魅力に迫っていきたいと思います。
星野
ゲーム機向けのパッケージゲームとウェブゲームの両方に興味を持っている人っていうのは
実は結構少なかったりするんです。
でもそういう中でも「己の信ずる道を征け」と「Cursor*10」の
両方をみていて、とてもよく似ているということに
気づいている人たちもちゃんといるんですよね。
そういうわけで、今回はその両タイトルをつくっているお二人に
お集まりいただいてインタビューさせていただこうという企画です。
ご紹介すると、まず「Cursor*10」のクリエイター
nekogames の石井さん。お久しぶりです。
石井
どうも。星野
そして、もうひと方が「己の信ずる道を征け」の企画・開発をしているシリコンスタジオの渡邊さん。
渡邊
よろしくお願いします。星野
まずは「己の信ずる道を征け」の開発経緯から伺っていきます。「己の信ずる道を征け」は制作はフロム・ソフトウェアさんですよね。
渡邊
そうですね。星野
企画・開発が渡邊さんということで、そのあたりの経緯から聞かせてください。
渡邊
もともとフロムさんとは何か一本やろうという話しをしていたんです。その中でプラットフォームとしてPSPで一本考えたいという
お話しがあったんですね。それでPSP向けに新たに企画を
考えることになったというのが一方の状況。
もう一方で、たまたまゼロステージの石井さんインタビューをみて
「Cursor*10」というタイトルを知ったんです。
nekogames のタイトルは「星探」をはじめとして知っていたし、
好きで遊んでもいたんですけど「Cursor*10」は
インタビューをみるまで知らなくて。
で、遊んでみたらこれちょっとおもしろい、と。
おもしろいっていうかすごい。
星野
それはアイデアの部分で?渡邊
アイデアもそうだし、グラフィックもシンプルでいい。これは魅力的だと思ったのと同時に、
パッケージゲームにするとしたらどうなるだろう
っていう興味が自分の中にうまれたんですね。
ウェブ上のFLASHゲームとして人を引きつけるゲームデザインと
パッケージゲームのそれとは違うじゃないですか。
「Cursor*10」はウェブゲームとして完成度が高い分、
そのままパッケージにすることが出来ない。
じゃあ、どうパッケージにするか
っていうことに興味があった。
星野
「Cursor*10」をパッケージ化してみたいという欲求と仕事の上での新規企画立案が
丁度タイミングよく重なったんですね。
渡邊
そうですね。それで早速企画書にまとめて、石井さんとフロムさんにアプローチを取りました。
星野
その段階では断られる可能性もあったんですよね。どちらに対しても。
渡邊
断られたら出来ないっていうだけなんで(笑)どちらかに断られたら、もう一方にはごめんなさいなんですけど、
でも、ゲーム性で考えれば企画としては通るだろうし、
石井さんのインタビューに、「Cursor*10」は
「誰でもアイデアもってってつくっちゃっていいんじゃない?」って
書いてあったので、きっとお話しさせてもらえば大丈夫だろうと(笑)
星野
パッケージにするときに必要な要素ってどんなものだと考えていますか?
渡邊
ステージ数とかのボリュームもそうだし、キャラクタっていうのも重要な要素になってくると思います。
って並べると当たり前になっちゃうんですけど。
星野
「Cursor*10」をみて「これすげー!」って興奮する人っていうのはある方向のオタクではありますよね。
初めてみたとき大興奮していた人間が言うのも変なんですけど(笑)
そういう魅力的な「Cursor*10」というゲームを
より多くの人にプレイしてもらうためのキャラクタであったり、
ゲームが好きな人に楽しんでもらうための
ボリュームであったりというところでしょうか。
渡邊
そうですね。今回はokamaさんにキャラクタデザインを
担当してもらうというご縁も頂けました。
そうすることでまた違う人たちの目に止まって、
遊んでもらえるんだと思うんです。
そういう風により多くの人に伝えるためにどうつくって行くか。
どこまでできるだろうかということをやってみたかった。
星野
それは「Cursor*10」だから生まれた感覚ですか?渡邊
そうですね。例えば「星探」だとこの感覚は生まれないですね。「星探」は石井さんの作品にしかなりようがない。
「Cursor*10」は可能性の塊っていう印象ですね。
星野
制作の様子はどうですか?渡邊
「お!いい!」って思える瞬間があります。色々なところから色々なアイデアが出てくる。
自分が考えていたのと違う切り口のアウトプットが出てきて、
それなら、これと組み合わせてこうしようとかっていう。
可能性の塊っていうのがそういうところで感じられます。
既存のゲームをつくる場合にはなかなか生まれないものなので、
そういった制作自体もすごく楽しんでます。
(聞き手:0stage 星野健一)
関連リンク
・nekogames
・nekogames : Cursor*10
・nekogames : 星探
・フロム・ソフトウェア
・フロム・ソフトウェア : 己の信ずる道を行け
・シリコンスタジオ
・okama
・ゼロステージインタビュー : 第1回 石井克雄
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