第 2 回 宮澤卓宏

第1回ウェブゲームクリエイターインタビュー 石井克雄

7. 興味を広げて、またゲームに戻ってくる - 仕事と個人

星野

はじめ就職してからフリーになったというお話しで、
郵便局でバイトをしたりしていたということでしたけど。

宮澤

会社を辞めてから1年間は無収入だったんで、
年末年始に郵便局の配達をやったりして。

星野

バイトで繋いででもフリーでやろうとした。
選択肢としてFLASHのコンテンツを創る職に就く
っていうのもあったと思うんですけど、
なぜそれは選ばなかったんですか?

宮澤

そうですね、作品を公開して連絡をもらえるように
なっていたんで、フリーでもやっていけるかなっていう
自信がどこかにあったんでしょうね。

それに、今なら最悪失敗してもどこかにいけるだろう
っていう考えもあって。

だから辞めるときも、今辞めなかったら
多分辞めることはもうないだろうし、
こんな危険なことはもうできないって考えてました。 写真

星野

開発の規模っていうのはどんな感じですか?
大きなプロジェクトとかもあります?

宮澤

規模は本当に色々で、
一人で全部やるプロジェクトから、
最近は大きなプロジェクトに
参加させてもらうことも出てきましたね。

ただ、プロジェクトが大きすぎると、
創るものが本当に一部のパーツになってきちゃうんで、
そうなってくると、本当に仕事と割り切って
やる感じになっちゃいますね。

仕事でもやってて面白いのは「全部任せた」って
言ってもらえるようなそういう仕事ですね。

星野

ディレクションっていう役割もありますよね。
声や音を創ってもらって併せていくっていう。

宮澤

そうですね。
仕事としてもそうですし、後輩を育てるみたいな意味でも。
自分の周りにフリーランスの人が多いっていうのもあって、
一緒にやらない?って声かけたりしてやってるんで、
まとめていく役割はありますね。

星野

スクリプトあるいはFLASHの部分も
分業することってよくあるんですか?

宮澤

FLASHはAS3でなければ一人で創る方が楽なんで
デザインとスクリプトは基本的には自分一人ですね。
スクリプトでお願いしたのは「モアイの塔」の
塔が動くシステムの部分だけなんですよ。 スクリーンショットモアイの塔

星野

「モアイの塔」はAS3ですか?

宮澤

あれはAS2ですね。

星野

AS2でもモジュール化は普通にできるんですね。

宮澤

でも、やりやすくはなかったですね。
Box2DとかPapervision3Dとかも使ってるんですけど
ちょっとやりにくい。

星野

なんでしょうね。
インターフェイスが直感的じゃないところなんですかね。

AS3が出てきてからのFLASHの話しを聞いていると、
その辺のギャップが大きくなってる印象がありますね。
FLASHが持っていたお手軽でとりあえず動く的な
よさがAS3にはなくて、その溝が埋められないまま
発展してきちゃっている印象がありますよね。

仕事も個人作品も含めてなんですけど、
自身が中心になって制作するときは
大体どのくらいの人数がかかわっているんですか?

宮澤

いつものメンバーってなると、
歌担当と声担当と自分の三人が多いですね。
あとは「Mr.Sweets」で歌ってるネット声優さん。 スクリーンショットMr.Sweets

星野

「Mr.Sweets」の曲いいですよね。

音以外は基本的には自分でやるっていう感じなんですね。

宮澤

そうですね。
曲も自分で創るんで、声だけはお願いして。
自分以外の声は自分ではどうにもならないんで(笑)
ぎりぎりまで自分で創ってますね。

星野

赤白黄色」も同じ方ですか? スクリーンショット赤白黄色

宮澤

そうですね。「Mr.Sweets」が結構よかったんで、
もっと曲ジャンジャンやろうっていって
創ったのが「赤白黄色」だったんですよね。

今はまだ歌ってるのは2曲だけなんですけど、
次の曲も収録は終わってて、
最初の曲がバラードで二つ目がロックだったんで、次は○○で。
(星野注:リリースをお楽しみに!)

星野

バラードでロックで○○(笑) スクリーンショット

宮澤

毎回ジャンル変えるんで
最初「無理です」って言われるんですけど、
「いや、いけるいける、大丈夫」って言って(笑)

本当はいろんな人の曲を入れられたらと
思ったんですけど、それはなかなか難しくて。

星野

落ちものゲーとしても面白いですよね。

宮澤

本当はこれもマウスだけでできるゲームに
したかったんですけど、キーボードの方が
プレイしやすいゲームになっちゃったんですよね。

星野

自分の作品と仕事での作品の違いを
もう少し聞きたいんですけど。

宮澤

誰に喜んでもらうかっていうのが
一番大きな違いなんじゃないですかね。
仕事はやっぱりクライアントさんを第一に考えて
二番目がプレイヤー、最後が自分。
自分の作品はまず自分が納得行くかどうかなんで、
そこの優先順位がやっぱり違いますね。

その上で目的が色々なんで、
例えば、コンテストに出すためのゲームだったら、
そこで目立つものっていうのが最初にあるし、
赤白黄色は気持ちよく曲を使えるっていうのがって。

星野

個人制作は自分のためっていうところで、
コンテストに出すっていうのも、
自分のために仕事に繋げるっていところでしたよね。
コンテストに出して評価をもらって、
そこで繋がりを創っていくっていう。

宮澤

そうですね、そこで営業しちゃえっていう。

星野

BROSTA TV」だけじゃなくて、
他にも「OCNxなつゲー FLASHゲームコンテスト」とか
FLASH GAME FESTIVAL」は'06でしたっけ、
あと、コンテストじゃないですけど「ウェブたま
なんかにも出してますよね。
(ウェブたま買い付けの「モアイの巣」)

これからもコンテストとかには出していくんですか? スクリーンショットガンホーゲームズ版モアイの巣

宮澤

出して行きたいですね。
自分がまだ通用するかがハッキリする場所でもあるし。
自分の作品だけでみても分からないですからね。

もっと出したいんですけど、ウェブのゲーム系だと
今は「BROSTA TV」ぐらいしかコンテストがないんですよ。

本当は他にもリクルートさんの「1-click Award」とか
Adobeさんの「CUBE AWARDS」とか出してるんですけど、
「BROSTA TV」は、クリエイターとクライアントを繋ぐ
っていうスタンスでやってるんで、
結果的に「BROSTA TV」への出品が多くなりますね。

星野

「1-click Award」のこのコンテンツ(「視力検査」)面白いですね(笑)
フィルタの効果的な使い方ですよね。 スクリーンショット視力検査

宮澤

審査員受けも会場受けも良かったんですけど、
落ちちゃったんですよね。
ワンクリックじゃなかったから、かなぁ。

星野

最後に、これからの展開について聞かせてください。

宮澤

そうですね。あんまり考えてないんですよ。
そのときに面白いもの・興味があるものを
ガーッとやって生きて行くと思うんです。

今は結構映像が面白くて、
ゲームではなくて映像も結構撮ってるんですよ。
その前は音楽で、自分で曲を創ったりして、
そしてそれをまたゲームにもどして。

だから、一旦興味の向く方に広げていって、
それをゲームにもどすっていうやり方を
続けていきたいな、と思います。

星野

これからも戻ってくるのはゲームですか?
インタラクティブコンテンツではなくて。

宮澤

どうでしょうね。
どっちも面白くなってきたんで分からないですけど、
インタラクティブなものであることは変わらないですね。

星野

今、ゲーム以外で創ってる、あるいは
創ろうとしているものってあるんですか?

宮澤

あるけど、それは今はまだ内緒です。
びっくりしてもらいたいから。

星野

分かりました(笑)。
ではゲームもゲームでないコンテンツも
公開されるのを楽しみにしています。

今日はどうもありがとうございました。

(聞き手:0stage 星野健一

本文中のリンク
SKT-products
・SKT : モアイの塔
・SKT : Mr.Sweets
・SKT : 赤白黄色
・SKT : モアイの巣(ガンホーゲームズ版)
・SKT : 視力検査
BROSTA TV
OCNxなつゲー FLASHゲームコンテスト
1-click Award
CUBE AWARDS
ウェブたま
FLASH GAME FESTIVAL
FLASH GAME FESTIVAL '06
Box2DFlashAS3
Papervision3D
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