第 2 回 宮澤卓宏

第1回ウェブゲームクリエイターインタビュー 石井克雄

5. プレイ風景をイメージして創る - 「モアイの巣」「モアイの塔」制作秘話

星野

それじゃ次は「モアイの巣」なんですけど。

(「モアイの巣」を画面に表示して)

あ、スタートのクリックすら要らなかったんだ。
気付いてなかった。 スクリーンショット

宮澤

そうです。モアイシリーズは
ボタンクリックはまったくなしで創ってます。
Shockwaveさんの「モアイの巣」は色々な兼ね合いで
スタートのクリックとかがついてますけど、
オリジナルは一切クリックなしです。
「モアイの巣」はタイトル表示から一定時間過ぎると
勝手にはじまっちゃう。 スクリーンショットShockwave版

星野

「モアイの巣」はどういう経緯で
このアイデアで創ることになったんですか?

宮澤

モアイまわし」を創ったあとに、
またモアイで創りたいな、と思っていて、
「BROAD STAR」(現「BROSTA TV」)にもまた出そうと思ってたんで、
「モアイまわし」と同じターゲットに受けそうな
シンプルなゲームっていうのがテーマでした。
クリックを全部なくしたのもそんなところからで。

星野

「モアイの巣」は確かにシンプルで
誰でもできて、爽快感もある。

でも、絶対全部は取れないですよね。
その辺のザックリ感もすごいなぁ、と思って。

ゲームバランスはどうやってとってるんですか?

宮澤

僕もゲームバランス調整は特にしていなくて、
フィーリングで置いて、これで行こうって。
だから「モアイの巣」はゲームバランス大失敗なんですよね。

後に行くほどモアイがいっぱい出てくるんで、
進むほどノルマが楽になっていっちゃう(笑)
なので、ノルマの調整をしようかとも思ったんですけど、
30秒で100匹ってきれいだから変えたくなかった。
なので、簡単になるでいいやぐらいの気持ちで。 スクリーンショット

星野

先のステージほどモアイが取りやすくなっていくから
プレイしていて気持ちよくなっていくじゃないですか。
先に行くほど気持ちいいっていうのはいいなぁ、
と思うところですね。楽しくて。

宮澤

でも、最後の評価はシビアなんですよね。
グレードが多分Sくらいまであるんですけど。

星野

多分(笑)
Sですか、見たことないですね。

宮澤

僕もない(笑)
いつも自分が取れるランクの4つくらい上まで
用意しておくんで、自分では絶対取れないんですけど、
それをクリアする人が絶対いるんですよ。
「S取りました!」って言われたりして、
スゲーって。 スクリーンショット

星野

それすごいですね。

(ゲームが終わって評価画面からタイトル画面に移動)

あ、こういう感じで、クリックしなくても
勝手にタイトルに戻ってゲームが始まるんですね。

確かに、デスクトップで流しっぱなしにしておいて、
気が向いたら遊ぶぐらいの楽しみ方もできていいですね。
「モアイの巣クリーンセイバー」とか。

宮澤

最初のタイトル画面に「HOW TO PLAY」とか
「遊び方」とかあるじゃないですか。
あれが実はもう敷居が高くて、説明読むのめんどくさいって
なっちゃうんですよね。ウェブは特に。
そう思わせないように、創ってますね。
そういうテンポ重視で創ったのが「モアイの巣」です。

星野

他の作品は、割と難易度的なところでは
ゲーマー向けなところもあると思うんですけど、
「モアイの巣」は本当に誰でも簡単に楽しめますよね。

そして三作目が「モアイの塔」。
「モアイの塔」で塔の処理ってどうやってるんですか? スクリーンショット

宮澤

塔のエンジンは結構ややこしい計算してて、
さすがに自分ではできなくて揺れる仕組みだけは
創ってもらったんですよ。

星野

塔もゲームとして難しい(笑)
ハシゴがなかなか塔と重なってくれなくて。

宮澤

ハシゴは3Dでアニメーションつけて
動かしてるだけなんですけど、
予想以上に難しい動きになったみたいで(笑)

「モアイの塔」は今までと変えて、
ルールはシンプルでプレイヤーがやってることも
シンプルなんだけど、そこに複雑なスクリプト技術を
ぶち込んでやろうっていうのと、
「モアイの巣」でモアイがわらわら出てくるのが
気持ちがよかったんで、今回もわらわらだそうと。 スクリーンショット

星野

今までの2D感に対して3D感を
強く出したところも印象的ですね。

それにしても難しい。
時間に対して100っていうノルマが厳しいですよね。

宮澤

「モアイの塔」は奇跡的なゲームバランスに
なっちゃってて、99で終わっちゃったりすることが
本当にあったりするんですよね(笑)

やっぱりSがあって、200匹取るとSなんですけど、
相当厳しい。けどやっぱり取る人は出てくる。

星野

これとかも意味不明ですよね。
(画面下に出てくる黒柳徹子風のキャラ)。 スクリーンショット

宮澤

これは公開前日に曲が完成して届いたんですね。
それで、声をやってくれてる人と聞いたら
「徹子の部屋」に似てるねっていう話になって、
じゃあ徹子を出すか、っていうノリで
前日に入ったキャラです(笑)

星野

声は「マウスでごわす」と同じ方なんですか? スクリーンショットマウスでごわす

宮澤

そうです。いつもお願いしてるんですけど、
いろんな声ができるんで、徹子もやってもらったら
さすがにできなかった(笑)
でもいれちゃった(笑)

星野

「似てないけどいいや」と、その場のノリで(笑)

宮澤

リリース直前でナチュラルハイになっているときに
勢いで入れたものの方が受けたりするんですよ。
ザリガニとかもそうですね。 スクリーンショット

星野

勢い系は色々あるにしろ(笑)
「モアイの塔」のこだわりは難しい計算しつつ
簡単なゲームっていうシステムっていうところだったんですね。

モアイシリーズの次ってあるんですか?

宮澤

創りたいんですけど、ネタがまだでてなくて。
「モアイの巣」「モアイの塔」と
かわいいモアイがワラワラ出てくる絵だったんで、
もう一度「モアイまわし」みたいな
シュール系にしたいっていうイメージはありますね。
「なんでこれやってるんだろう」ってプレイヤーが
思うようなものにしたい。

星野

やっぱりイメージから創っていく感じなんですね。

宮澤

イメージっていうか、それを遊んでいる人に
どういう風に思わせたいかっていうのがあるんですよね。
「なんでモアイまわしてるんだろう」って思いながら
プレイしてもらえたらいいな、とか。

だから、やっている人をイメージしながら
創っている気がします。
ネタに困ったときとか、遊んでいる人をイメージして、
画面があって、こういう動きをしていて、
こうなってビックリしたっていうのを想像して、
そこにあてはまる絵を考えていく。
それがゲーム画面になったりするんです。

星野

自分のオリジナルのときもネタに困ることがあるんですね。

宮澤

そうですね。
引越し奉行」みたいに理由があってネタに困るときもあれば、
何もなくてただ困るときもあって。
自分で納得すれば、仮に他の人が面白くなかったとしても
それはもう、ゴーなんですけど、
納得いくまでは絶対に出したくない。 スクリーンショット引越し奉行

星野

仕事の時はどうですか?

宮澤

仕事では必ずクライアントさんに何らかの意図があるんで、
まずはその意図を尊重して、そこに自分がやりたいことを
ミックスさせて考えるんで、一つずつ順番に考えていけば、
そんなに悩まないんですよね。

オリジナルの方が、自分のためなんで
逆に悩んじゃいますね。

星野

仕事の方が苦しむかなって単純に思ったりしますけど、
むしろ自分の意図で創るオリジナルの方が難しいんですね。

オリジナル作品を作るときって、
完成の区切りはどういう風につけるんですか?

宮澤

応募作品とか締め切りがあればそれが完成ですし、
それがなければ、納得するかしないかですね。

納得の根拠は自分がイメージしたものと
マッチしたものになっていればっていう感覚。
他に付け足すものはないよなってなれば完成。

星野

公開してから大きく変更したことってありますか?

宮澤

雑念打」みたいなバージョンアップはありましたけど、
他はほとんどないですね。
公開した段階で自分では納得しているんで、
あとで、こうした方がよかったな、と思っても
それはまた別の機会で活かすようにして。 スクリーンショット

星野

「雑念打」は納得していたものに別の刺激が入って
バージョンを上げたっていうことなんですね。
そうでなければ、次へ次へと発展させていく。
なるほど。

(聞き手:0stage 星野健一

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・SKT : モアイの巣
・SKT : モアイの巣(Shockwave版)
・SKT : モアイの塔
・SKT : モアイまわし
・SKT : マウスでごわす
・SKT : 引越し奉行
・SKT : 雑念打
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