第 2 回 宮澤卓宏

第1回ウェブゲームクリエイターインタビュー 石井克雄

4. 何でこれをプレイしているんだろう? - 「モアイまわし」制作秘話

星野

モアイまわし」「モアイの巣」「モアイの塔」の
モアイシリーズなんですが、
一番最初が「モアイまわし」ですよね。

宮澤

そうですね。
モアイシリーズでは「モアイまわし」が一番最初ですね。 スクリーンショット

星野

「なぜモアイを回そうとしたのか」というのは
既にお答えいただいたところなんですが、
その更に前の質問として、なぜモアイなんですか?

宮澤

それも特に理由はないんですよ。ただ、とにかく
「なんで俺はこれをプレイしているんだろう?」って思わせたい。
「この作者ちょっと頭おかしいんじゃないの?」って
思わせたいっていうのがあったんです(笑)

「モアイまわし」は元々「BROAD STAR」(現 BROSTA TV」)っていう
コンテスト用だったんです。今は違うんですけど、
昔のBROAD STARは、作品を出すと小さいサムネールが付いて
応募作品がズラーッと並んでたんですよ。
その状況で、どうすれば自分の作品に目が行って
クリックしてくれるかっていうことを最初に考えたんです。

そうすると、名前のインパクトがすごくて、
なおかつサムネールも「何これ?」みたいなインパクトがあれば、
とりあえず一回はクリックしてもらえるだろう、と。

星野

なるほど。
「モアイまわし」って確かに意味わかんないですよね(笑)

宮澤

そして1回とにかくクリックしてもいいかな、と思わせて
それでクリックしちゃえば、ゲーム中は一切クリックないんで、
なんとなくマウスを動かしていれば遊べちゃう。

そういう、コンテストに向いたカタチで創った
っていうのがありましたね。

星野

どんなサムネール画像だったんですか?

宮澤

なんかへんてこりんな絵でしたよ(笑)
モアイの顔がボンってあって、「モアイまわし」って書いてある。
これですね(SKTサイトのサムネール)。

いっぱいサムネールが並んでる中にこれがあって。
そうしたら、やっぱり結構、目に付いたみたいで
作戦大成功な作品でしたね。 スクリーンショット

星野

全部作戦通り(笑)
なるほど。インパクトっていう目的があって
インパクトを求めたときに出てきたのが「モアイ」だった。

台詞とか音もインパクトありますよね。

ゲーム内容に関してなんですけど、
回してるアルゴリズムとか、答えの位置とかって
どうやって創ってるんですか?

宮澤

仕組みはすごく単純で縦軸と横軸の位置を使って
6種類くらいのパターンを用意して、
後はマウスの動きに対する回転の割合を
後半に行くほど大きくしていって、
それで難易度調整をして。

難易度調整したつもりが、難しすぎると言われて(笑) スクリーンショット

星野

確かに。これ最後ってあるんですか?

宮澤

あるんですよ。

星野

僕、最後まで行ったことないかもしれない。
(後日クリアしました)

宮澤

行ったことない人も結構多いみたいなんですよ。
BROAD STARで賞をもらうと発表会があるんですけど、
その発表会でデモプレイしたとき、
本気で途中で死にましたから(笑)

星野

位置もランダムですよね。
だから覚えゲーにもできなくて(笑)
この辺があやしいって言われても
分からないときが結構ある。

答えは必ず一箇所ですか?

宮澤

答えの位置を決めてそこから計算しているので、
偶然他の答えができることは、たぶんありますね。

星野

その辺はおおらかに。

「モアイまわし」は最後まで行けない人もいるって
いうことなんですけど、でも最後まで行けるかどうかって、
このゲームでは結構どうでもいいところでもありますよね。
回っているだけでも楽しくて、その楽しさが
「またあのサイト覗いてみたい」って思わせる
きっかけになってますよね。

モアイっていう選択はインパクトだったんですよね。

宮澤

そうですね。
ただ、モアイっていうキャラクタも確かに好きなんですよ。
いるかいないかわからないツチノコとか。
モアイはペルーの神聖な神様なんですけど、
でも、めっちゃ胡散臭いじゃないですか。 写真

星野

まあ、そうですね(笑)

宮澤

そういう胡散臭さがいいんですよ(笑)
神秘性と胡散臭さを兼ね備えたような。

勤めてたときも、世界の七不思議フィギュアを
自分の机にブワーッと揃えて、
牛がUFOに連れ去られているフィギュアとか。

星野

じゃあ結構ムー系が好き(笑)

宮澤

ムー系好きですね。
スカイフィッシュとか大好き。

星野

そういえば mixi のアイコンスカイフィッシュですよね。

宮澤

そう、スカイフィッシュです。
好きなんです、そういううそ臭いのが。

星野

そういうところもあってモアイ。

他に胡散臭いキャラのゲームってありましたっけ?

宮澤

胡散臭いのは今はもう、モアイくらいですかね。
ただキャラは、ゴキブリだったり、カエルだったり、
カタツムリだったりってなんか微妙なラインナップで(笑) スクリーンショットエスカルゴーン

星野

そうですね(笑)
確かに普通、カタツムリとかゴキブリとか
プレイヤーキャラにしないですよね。

宮澤

ゴキブリもShockwaveに出したときに
すごい反対されたんですよ(「GOKI DASH」)。

Shockwaveはスポンサーからも収益を得てるんで、
「これじゃスポンサーつきませんよ、食品系は全滅です」
っていわれたんですけど、
「いや、それでも俺はこれで行くんだ!」って。 スクリーンショットGOKI DASH

星野

そんな頑固なことが(笑)

宮澤

「それじゃ、せめてかわいらしいゴキブリのキャラにしましょう」
ってなって、オリジナルのリアルなのじゃなくて
かわいいキャラにして。

星野

Shockwaveは結構クリエイターの主張を聞いてくれるんですね。

宮澤

そう、主張を聞いてくれるいい会社です。

星野

じゃあ、是非ツチノコゲームを。

宮澤

ツチノコ出したいですね。
河童とかツチノコとか、ツタンカーメンとか。

星野

ツタンカーメンゲーってどんなんですか(笑)

宮澤

ちょっと考えたのは、
すし職人がすしを握っているんですけど、
シャリに載っているネタがツタンカーメンっていう。
そのイメージしかまだないんですけど、
それを食べてるところとかを想像して、何とかならんかなぁ、と。

星野

(笑)
絵からなんですね。
でも確かに話しを聞いただけでも
そのおかしな絵が浮かびますね。

宮澤

絵があったら、後はその絵が成立するゲームを考えるだけなんで。

星野

それはどのくらい前から暖めているんですか(笑)

宮澤

相当前なんですけど、なかなかカタチにならなくて。
ある日突然出来上がってるのを楽しみにしていてください。

星野

楽しみにしています(笑)

(聞き手:0stage 星野健一

本文中のリンク
SKT-products
・SKT : モアイまわし
・SKT : モアイの巣
・SKT : モアイの塔
・SKT : GOKI DASH
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