6. 仕事と個人活動のバランスとか
--
重複しちゃうんですが、改めて仕事のことなんかを聞かせてください。
フリーになる前の仕事はプライズ機のデザイナでしたよね。
石井
岐阜にある大平技研工業というゲーム会社で、プライズゲームの外観のデザインをちょっとばかり。
--
デザイナだけど、スクリプトを書けるじゃないですか。スクリプトはどうやって使えるようになったんですか?
石井
昔、趣味でプログラムもやってたんで。X68000 とかで、アセンブラとかも使って
自分でゲーム作ったりして。
--
68世代で、ドット絵も描いて。この世代で、アセンブラもやってたんだと、
スクリプトとかも抵抗ないんですね。
石井
でも、最初はわかんなかったですよ。--
Cとかは?石井
Cまでやりましたね。--
ポインタまではOKだったと。石井
ポインタまではアセンブラやってたから判ったんですけど、知らないうちにオブジェクト指向が流行ってたんで、
スクリプトいじり始めたとき、最初はわかんなかったですね。
でも、今のプログラミングというか
スクリプトに慣れちゃうと、
昔どうやってプログラミングしてたのか
ちょっと思い出せないですね。
オブジェクト使わないでどうやって
作ってたんだっけな、みたいな。
--
(笑)ちょうどPCでやれる事を一通り、
絵もプログラムも両方やっちゃって、
一人で創るのが当たり前だった世代ってありますよね。
そして、フリーを経て今はロボットで。
フリーをやめた理由ってありますか?
石井
いや、特にはないですけど、なんかフリーで仕事をしているうちに気付いたら席があったみたいな感じで(笑)
--
いつの間にか席ができてしまっていた(笑)フリーのときはどんな感じで仕事してたんですか?
石井
前の会社を辞めて直ぐにフリーで働き始めたわけじゃないんですよ。辞めた直後は、なんかボーっとしてたり。
--
ボーっと(笑)ボーっと岐阜にいたんですか?
石井
辞めて東京に来て。そのころはまだFLASHとか流行ってないし、
ウェブゲームとかもあんまりなかったんで、
そういう仕事もあまりなく。
--
そういうFLASHとか、そのころはDirectorかな、そういうのでコンテンツを創る仕事を
しようと思って活動してたんですか?
石井
そういうわけでもなく(笑)自分でなんか色々創っているうちに
ちょくちょく仕事がきだして。
最初のうちはあれですね、
エロ雑誌とかに付いてる付録のCD-ROMとかの
ミニゲーム創ったりして。
--
割と「マルチメディア」感のある(笑)石井
そう「マルチメディア」感のある(笑)--
そのころはDirectorを使って。石井
Directorですね。Directorの全盛期。
--
Directorを触ったきっかけはなんだったんですか?石井
専門学校でDirectorいじってて、面白いと思って自分で買っちゃった。
--
そしてそれが仕事になっていったんですね。今、仕事ではどんなコンテンツを創ってるんですか?
プラットフォームとか。
石井
今は自社ポータルサイトの携帯FLASHが多いですね。
後は、受託とか秘密の仕事とかもありますけど。
--
秘密の(笑)携帯コンテンツって、
どのくらいの規模で創るのが多いんですか?
石井
携帯コンテンツは大体一人ですかね。一人で3日から2週間くらい。
--
製作期間は企画も含めてですか?石井
企画も含めて。創りながら企画も考える感じですね。
--
携帯FLASHは簡単に創れるっていう印象がありますけど、実際は一人で絵もスクリプトも全部やらなきゃいけないから、
結構大変ですよね。
機種依存の苦労とかありますか?
画面サイズの違いとか。
石井
画面は最近は240x240で大体OKで大変なのは音だけですね。
音だけ機種ごとに違うんで、
それがめんどくさい。
--
仕事でも、完成した感っていうのは同じですか?石井
自分の完成した感+プロデューサの完成した感(笑)--
(笑)(ゲーム内容が)ひっくり返ったりします?
石井
プロデューサの方が厳しいかもしれない(笑)割とすぐ「いいだろ完成で」と思っちゃいますね。
--
(笑)仕事をしながら創るところで
個人製作に割く時間ってどのくらいですか?
石井
時間か…、ほとんど仕事ですね。--
休みってどのくらい取れるんですか…って、なんか生々しくなってきてますけど(笑)
石井
休みは、知り合いをちょっと手伝ったりとかもあったりするんで、あまり時間は取れないですね。
--
結構、時間が限られた中で創っていくわけですね。そうするとやっぱりしんどさとかもあるんじゃないですか?
石井
うーん、でも、本当に創りたくなると、仕事そっちのけで創っちゃったりもするんで。
--
いてもたってもいられなくなると(笑)仕事で散々コンテンツを創っているところで、
更に自分でも創るっていう、
その創るモチベーションってどこから来るんですか?
石井
やっぱり、ユーザーのレスポンスですね。レスポンスがあるのはうれしいじゃないですか。
仕事のコンテンツって、すごいの創っても
あんまり反応がないんですよ。
--
オフィシャル系のゲームポータルとかだと、ユーザーがレスポンスを返す仕組み自体が
そんなになかったりしますね。
そういうレスポンスが少ないっていうのは、
不安につながったりするんですか?
いいものが創れているかどうかっていう。
石井
仕事は、いいものができているっていう感じはしますね。完成度がすごく高いし、完璧にできてると思いますよ(笑)
--
そうか、その完成度高くできているコンテンツにもっと賞賛を与えよ、とか(笑)
石井
もっと褒めよ(笑)そこまでじゃないですけど。
でも、「ジップジャンソリティア」とか、
きちんと創りこんでよくできてますよ。
--
先日サルのようにやってました(笑)石井
音楽がITOKENさんだったんですよ。ITOKENさんに音楽提供してもらって。
「ジップジャンソリティア」ってサイズが3MBくらいあるんですけど、
90%くらいが音ファイルで(笑)
劣化しないようにあまり圧縮しないで入れてるんで。
--
そうか、音もそうだったんですね。音も含めて、細かいところも丁寧に創ってありますよね。
タイトル画面でのキャラ紹介とか、
ステージ始まるときに、下の牌がチラッと見えるところとか、
演出とゲーム性のバランス的なところでも。
ちょっと話し変わるんですけど、「星探」の話しのときに、
基本ユーザーテストしないっていうことだったんですけど、
ユーザーはどういう風に想定しているんですか?
石井
昔は自分向けで創ってたんですよ。自分向けだったんで、全てのゲームがすごい難しかった。
それを易しくしようとし始めたのが、
「星探」あたりからで、自分では簡単過ぎるくらいに
創るのが結構難しいですね。
--
今までのユーザーのリアクションをみてきて、そういう風になってきたんですね。
ネコ系は確かに難しいと思いましたね。
昔は自分向けで、今は誰向けになるんですか?
石井
全世界向けです。--
なるほど。クリアしてもらわないとしょうがない、
っていうところでやってるのがすごくいいなぁ、
って思ったんですけど、
それは、限定したユーザーではなくて、
全ての人に向けたコンテンツだったからなんですね。
「全世界向け」いいですね。
(聞き手:0stage 星野健一)
関連リンク
・Adobe「FLASH」製品情報
・Adobe「Director」製品情報
・iズーキーパー
・「ジップジャンソリティア」
・itoken-web.com
・「星探」
・Wikipedia「X68000」
・Wikipedia「C」
・ロボット
・大平技研工業
・nekogames
・nekogames.com
Amazonで買う
・Adobe Flash 関連製品
・Adobe Director 関連製品
Copyright©
0stage. All rights reserved.