第 1 回 石井克雄

第1回ウェブゲームクリエイターインタビュー 石井克雄

「星探3」いよいよリリース!

2. 「cursor*10」のこと

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まずは、じゃあ「Cursor*10」から。
これは、2008年。

石井

今年のお正月ですね。 キャプチャ画像

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こないだ石井さんと話しをしてた時に、
同じようなアイデアのものは過去にもあった、
みたいに言ってましたけど、なんでしたっけ?

石井

えっとね、中村勇吾さん。ugop.com

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(検索)これですね。

石井

ここのどこかに埋もれてるはずですけど
フィンガー何とかってやつ。
昔のやつだから奥の方に入ってると思うんですけどね。
アーカイブあたりに。

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ちょっと探してもらった方がいいか。

石井

これだ、「FINGER TRACKS : STUDY-A」
これ見て、あーすごいなって思ったんですよ。
これが発想の元になったのは間違いない。

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「エコトノハ」の人ですよね。
これ(FINGER TRACKS : STUDY-A)は何をやってるんですか?

石井

ユーザのマウス操作が保存されて、
リプレイすると保存されているカーソルの動きが
再生されるっていうコンテンツなんですよ。

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これって、再生されるだけなんですか?
再生される「だけ」って雑な言い方しちゃってるけど(笑)

石井

再生して他の人のやつも一緒に見れる。
データを送信して。

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なるほど、確かにアイデアの根幹は一緒っていうことなんですね。

石井

そうですね。

実はこれに影響受けて、昔こんなの創ったこともあるんです。
今はもう公開してないけど。

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なんですか?これは。

石井

マウスの動きとクリックをこっそり記録。 キャプチャ画像

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うわー、これはひどい(笑)
エロが載ると再生の面白さがグッと増しますよね。

石井

みんな色々クリックしてます。

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こっそり記録って、公開しちゃって大丈夫だったんですか?

石井

前に公開してたとき、ちゃんと断ったから大丈夫。

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それはよかった(笑)

「Cursor*10」は更にちゃんとゲームになってて、
もう一つ、自分自身と協力することが違いですかね。
過去の自分と協力するっていうのがけっこう衝撃だったので。
時期的にはニコニコ動画が盛り上がってたときだったんで、
こういうずれた時間を重ねていくっていうのが
これからキーなのかナァと思いながらみてんたんです。

さっきのアイデアからゲームになるまでの間に
試行錯誤があったと思うんですけど、
ちなみにどのくらいの期間で作ったんですか?

石井

これは(丸々)3日間ですね。正月休みの間に
なんかゲームを創らなければならないなと思って。

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(笑)ちょっとずれますが
なんかゲームを創らなければ「ならない」の理由は?

石井

だってお正月じゃないですか
なんか公開しないと、つうことで。

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このタイミングを逃してはいかんと。

石井

うん。

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作り始めたときってこの形じゃなかったんですよね。

石井

そうですね、作り始めたときは
上から見た四角のグラフィックとカーソルのゲーム。
クォータービューのグラフィックと階段は最初に描きましたね。
塔を昇っていくゲームっていうのは最初に決めちゃったんで。 キャプチャ画像

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その時「FINGER TRACKS : STUDY-A」の
アイデアとのリンクもあった?

石井

その時はまだなかったですね。

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じゃあ、そのアイデアをベースに
持ってきたんじゃないわけなんですね?
作り始めてから。

石井

作り始めは単なるクリックゲーム、
階段をすばやくクリックするゲームだったんですよ。

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どんだけミスなくクリックできるか。

石井

そうそうそうそう、
フロアをどこまで昇っていけるか。

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ゴールがあるんじゃなくて、制限時間内にどこまで昇れるか。

石井

それで、色々アイテムを置いていくわけですけど、
あの100回クリックしないと開かない箱を置いた時点で
多人数でできたら面白いと思って
あそこでカーソルがいっぱい出てきて
みんなでやったら楽しいかなぁ、と。 キャプチャ画像

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そこで、過去の再生っていうのが
一緒に出てきた感じなんですか?

石井

過去の再生はよくわかんないですけど(笑)
カーソルがいっぱい出てたら楽しい。
絵から入って、ゲームの見た目が
(丁度100回クリック箱のフロアに到着)
そう、これですね。
これ自分でクリックして、
他にカーソルが出てみんなでクリックしたら
見た目に面白いなぁ、と。

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でもそこで多人数にならなかったのは?

石井

本当はサーバーでみんなでやれば
すごく楽しいかなって思ったんですけど、
それはちょっと無理、技術的にも時間的にも。

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あと、みんないないとクリアできなくなっちゃうし、とか。

石井

そうね。

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でも結果的には結構斬新なことになりましたよね。
だから、どちらかっていうと出てきたアイデアが
見たことのあるものと同じだっ、て
自分の中で結論付けられたのかなぁと、
聞いてると思いますね。

あと、個人的に多人数じゃなくて、なんだろう、
多カーソルプレイが謎解き感があるじゃないですか。
だからシリーズ化しても
すごく楽しめるんじゃないかと思うんですが。
また、もう一発アイデア盛り込んで
創ってみようとかってないですか?

石井

これですか?

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ええ、個人的には結構期待というか
別な知恵の絞り方してみたいなぁ、
っていう気持ちはあるんですよ。
(顔色をみて)あー、
でも(次回作は)なさそうですね(笑)

石井

そうですね、どうだろう。 写真

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割と完結してるんですね、これで。
そうかぁ、じゃあ誰かがアイデア持ってって
作っちゃっても大丈夫ですか?。

石井

大丈夫じゃないですか。

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じゃあ、誰か、誰でもいいから
創って欲しいですね(笑)個人的には
エディタを作っちゃってもいいんじゃないかと思うくらい
システムがよくできてますよね。
気が向いたら2作目も作って欲しいですね。

石井

じゃあ、来年のお正月に(笑)

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ライフワークにしましょうよ。
2009年版とか、お盆版とか
ご先祖様を迎えにいって帰ってくるカーソルとか(笑)

それから、これは石井さんだからっていうのもあるんですけど
このシステムでこんなこともできるのかっていう
驚きを与えてくれそうな期待もこめて、
是非創って欲しいなぁと思います。

あと、途中から路線変更したという話だったと思うんですけど
それができるのが単純にすごいと思うのと、
路線変更した後の落とし所っていうか
これでアップできるっていうラインっていうのは
どういう風に決めてるんですか

石井

ラインはねー、
自分で面白いと思ったら上げちゃうんですけども(笑)
あんまりゲームのバランスとか取らないんですよ。
「Cursor*10」でも、三角形のアイテムは
一回置いたらもう何にも動かしてないんですよ。
一発置きで、置きっぱなしで、それで決定しちゃう。

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割とフィーリングで置いてる感じですか?

石井

そうですね、
あんまり考えないですよね。
こういう配置が面白いかどうか、
案外適当ですね。

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これで完成っていう実感は?

石井

面白いっていうのと、
あと、もう創るの飽きたかなっていう(笑)
飽きるのも早いですね。
やっぱりやってて面白くなったっていう瞬間がありますね。
ちょっと変えただけで、これで完成したなっていう瞬間が。

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それって昔からですか?

石井

うん、昔はあんまりなかったですね
いつ頃からかな(ページで作品をみながら)最近ですね(笑)
最近でもないか、2002年あたりから
適当に言ってますけど(笑)

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(笑)2002年あたりからっていうのは具体的には
どのコンテンツあたりからですか?

石井

具体的には「ふらふらねこ」あたりから。
「猫バルーン」とか。 キャプチャ画像 キャプチャ画像

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最近は強まってますか?
しつこく聞いてすいません。

石井

最近は「来て」ますよ(笑)
それが面白いかどうかはわからないですけど。

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「ぱん☆ちら」も?

石井

うん「ぱん☆ちら」も。

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じゃあ流れで「ぱん☆ちら」に話題を変えて。

(聞き手:0stage 星野健一

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